トイレの配管が古くて詰まりやすいのですが、リフォームすべき?修理で対応できる?

トイレの配管が古くなっている場合、詰まりのリスクが高まります。詰まりの頻度や配管の材質・劣化状況によって、リフォーム(配管)すべきか修理で対応できるかは大きく異なります。

 

【まず確認すべきチェックポイント】

チェック項目 具体的な内容 該当する場合の対応指針
詰まりの頻度 月1回以上など繰り返す 根本原因の解消が必要。配管更新を検討
排水の流れが慢性的に悪いか? 水を流すと毎回ゴボゴボ音がする、流れが弱い 勾配や内面劣化の疑い。内視鏡調査を検討
配管の材質 鉄管・陶管(昔の住宅に多い) 腐食やヒビの可能性あり。更新推奨
リフォーム歴・築年数 20年以上配管を更新していない 詰まりがなくても劣化している可能性あり
木の根などによる外部からの侵入がないか 戸建てで庭の近くに排水管がある 高圧洗浄+点検。根の侵入なら更新が必要

【配管の詰まり原因例(築年数別)】

築年数(目安) 主なトラブル例 修理対応の可否
~10年 異物の流し込み/トイレットペーパー過多 一時的な詰まり。修理で対応可能
10~20年 油脂・尿石の蓄積、軽度の内面劣化 高圧洗浄で対応できる可能性あり
20年以上 内面の腐食、陶管のヒビ割れ、木の根侵入など 配管更新が必要なケース多い

【リフォームが必要な典型例】

  • 排水検査で管内の内面にヒビ割れや膨らみが確認された

  • 築30年以上で、数年おきに何度も詰まりを繰り返している

  • 屋外マスがコンクリート製で破損しており、地中に排水が漏れている

  • 木の根が配管内部まで伸びている

  • 配管勾配に問題があり、汚物や紙が途中で停滞してしまう


【修理で済むケース】

  • ラバーカップやスッポンでも解消できる詰まり

  • トイレットペーパーや流せるシートの過剰投入による一時的な詰まり

  • 尿石の蓄積による詰まり(※尿石除去剤・高圧洗浄で改善可能)

  • 屋外マスにゴミ・葉・土が詰まっている

 

判断基準 リフォームすべき 修理で対応できる
築年数20年以上 △(一時的な対応に留まる)
配管にヒビあり ×
年1回以上詰まる
原因が明確・一時的
勾配・構造不良 ×

 

【おすすめ対応】

  1. 管内調査を行い、内部状況を正確に把握。

  2. 状態によっては、高圧洗浄のみで改善可能

  3. 根本的な劣化があれば、配管ごとの更新工事も視野に。

トイレの排水管のつまりの原因は何が多いですか?

1. 流してはいけない異物

排水管に以下のようなものが流れ込むと、途中で引っかかり、詰まる原因になります。

  • 生理用品・おむつ・ティッシュペーパー

  • トイレ掃除シート(流せると書いてあっても残ることあり)

  • 食べ物カスや油(台所と勘違いして流す人もいます)

  • ペットの砂や猫トイレの中身(固まって詰まります)

 

2. ペーパーと便の混合詰まり(ラーメン詰まり)

  • 長い配管の途中でトイレットペーパーと便が混ざり「ドロドロ状」になって固まることがあります。

  • 流す水が少ない場合や傾斜が甘い配管でよく起こります。

 

 

3. 排水管内部の傾斜不良またはたるみ

  • 本来、排水管は緩やかに下り坂になっている必要があります。

  • 施工不良や地盤沈下で「逆勾配(上り坂)」や「たるみ」があると、水が流れず詰まりやすくなります。

 

 

4. 尿石・スラッジ(汚泥)の蓄積

  • 長年使用されている排水管では、便や尿の成分が固まって内側に付着し、流れを細くします。

  • 特に屋外の塩ビ管や古い鉄管は内部に汚れがこびりつきやすいです。

 

 

5. 排水マス(屋外の点検口)での詰まり

  • 外の排水マスに便や紙が溜まってしまい、家からの流れが止まるケース。

  • 特に古い住宅や植木の多い場所では、木の根が入り込んで詰まらせることも。

 

 

6. 複数の配管が合流している場所のトラブル

  • 例えば、トイレと洗面の配管が途中で合流しており、そこに髪の毛やゴミがたまりトイレ側も詰まるという例もあります。

トイレつまりの修理値段について

トイレのつまり修理の料金は原因・場所・業者の対応内容によって幅がありますが、以下が一般的な目安です。

内容 相場価格 備考
ラバーカップ(スッポン)での軽度な詰まり 8,000円~ 応急処置レベル
専用ワイヤーやローポンプ使用 15,000円~ 専用工具で物理的に除去
トイレ本体の脱着が必要な作業 30,000円~ 異物が奥にあるケース
高圧洗浄(排水管のつまり) 50,000円~ 屋外排水管の詰まり対応
排水管交換などの工事 50,000円~ 地面を掘るなどの大規模修理

 

また、下記の料金がかかる場合もありますので、事前に確認をしましょう

  • 夜間・早朝・休日の対応(深夜料金)

  • 出張費・点検費

  • キャンセル料

トイレつまりの修理業者の選定ポイント

トイレつまりの修理業者を選ぶときは、「価格だけ」ではなく信頼性・対応力・実績などをしっかりチェックすることが大切です。

 

1. 料金体系が明確か

  • 「○○円~」ではなく、作業前に明確な見積もりを提示してくれるか確認。

  • 出張費・夜間料金・作業後の追加費用の有無を事前に聞く。

 

 

2. 口コミ・評判の確認

  • Googleマップ、エキテン、くらしのマーケットなどのレビューサイトをチェック。

  • 「高額請求された」「態度が悪い」といった口コミがないかも見ておく。

 

 

3. 水道局指定工事店かどうか

  • 各自治体が認定した「水道局指定工事業者」は技術と法的な信頼性が高い。

  • 公式サイトで業者名を検索可能です。

 

 

4. 緊急時の対応力(受付時間・到着時間)

  • 24時間365日対応しているか。

  • 電話での受付対応が丁寧か、到着までの時間を正確に伝えてくれるかも重要。

 

 

5. 実績や専門性があるか

  • トイレ修理に特化している、水道修理専門業者であるか。

  • トイレ以外のリフォームや営業を無理にすすめてこないか確認。

 

 

6. 保証やアフターサービスの有無

  • 修理後の保証(再発時の無料対応など)があるかどうか。

  • 明確に「保証あり」と書いてある業者のほうが安心。

 

 

7. 地元密着 or 全国展開か

  • 【地元業者】すぐ駆けつけられる/柔軟な対応/価格が比較的安い

  • 【全国チェーン】一定の基準や研修あり/ただし中間マージンが発生することも

洋式トイレが詰まった場合の対処法

【STEP1】まずは水を流さない

  • 詰まっているときに無理に水を流すと水があふれて床が水浸しになる危険があります。

  • タンクのレバーには触れず、まずは水位の確認だけにしましょう。

【STEP3】ラバーカップ(スッポン)を使う

適している場合:

  • トイレットペーパーや便が詰まっているとき

方法:

  1. ラバーカップを便器の排水口に密着させる

  2. ゆっくり押し込んで勢いよく引く(押すより引く力が大事)

  3. 3~5回繰り返し、つまりが取れたら少量ずつ水を流して確認


【STEP4】バケツの水を使って流す

方法:

  1. バケツで約5?6リットルの水を用意

  2. 一気に流さず、少し高い位置(約50cm)から一気に注ぐ

  3. 水の勢いでつまりが流れることがあります

※ ラバーカップ後の確認にも有効


【STEP5】ローポンプやワイヤーブラシを使う

ローポンプ(圧力ポンプ):

  • ラバーカップより強力な空気圧で押し出す専用工具です。

ワイヤーブラシ(トーラー):

  • 排水口の奥にワイヤーを入れて物理的に崩す方法。

  • 便器の脱着が不要で、DIYにも使われます。


【STEP6】ぬるま湯+中性洗剤で溶かす(軽度のとき)

方法:

  1. 中性洗剤(台所用)をコップ1杯ほど排水口に注ぐ

  2. ぬるま湯(40?50℃程度)をゆっくり注ぐ

  3. 30分?1時間ほど放置

  4. 水を流して確認


【STEP7】業者を呼ぶ(以下のようなとき)

  • 異物(おもちゃ・オムツなど)を落とした

  • 屋外の排水管で詰まっているかもしれない

  • ラバーカップでも解消しない

  • 何度も詰まる(配管に問題がある可能性)

和式トイレの詰まり

基本的な原因は洋式と同じですが、構造が異なるため対処法に少し違いがあります。以下に、和式トイレ特有の詰まりの原因と対処法を詳しくまとめました。

 

【STEP1】まずは水を流さず様子を見る

  • 水を流し続けると逆流やあふれの原因になるため、一度静かに観察。


【STEP2】ラバーカップ(和式用)を使用

ポイント:

  • 和式用は底が広く、和式トイレの形状にフィットしやすいタイプを使用。

  • 水をある程度張って、押すより引く力でつまりを吸引する。

手順:

  1. ラバーカップをしっかり排水口に密着させる

  2. ゆっくり押して勢いよく引く

  3. 数回繰り返して水が流れるか確認


【STEP3】バケツの水で流す(勢いで押し流す)

方法:

  • バケツに水を入れ、高い位置(50cm前後)から一気に流す

  • 詰まりが軽い場合、水圧で流れることも


【STEP4】お湯+中性洗剤で分解を促す

方法:

  1. 食器用洗剤をコップ1杯注ぐ

  2. 40~50℃のぬるま湯を入れる(熱湯は厳禁)

  3. 30分~1時間放置後、バケツ水で流して確認


【STEP5】ワイヤーブラシ(トーラー)を使う

特に効果的なケース:

  • 便器の奥や曲がりくねった排水管に詰まりがあるとき

  • 異物混入や尿石蓄積に有効

※DIYが難しい場合は、無理せず業者に依頼を


【STEP6】高圧洗浄 or トイレ本体の取り外し(業者対応)

  • 排水管の奥や屋外の排水マスに原因がある場合は、高圧洗浄機が必要。

  • 落とし物が原因で便器内に残っている場合は、便器を取り外す必要も。


? 注意点(和式特有)

  • 和式トイレは配管が「曲がりくねっていて細い」ことが多く、詰まりやすい構造です。

  • 洋式トイレと違い、ラバーカップの密着が甘いと効果が出にくいので、専用のもの(和式対応)を使うことが重要です。

トイレのタンクがつまる場合

トイレの「タンクが詰まる」という症状は、少し特殊で、排水管の詰まりとは別のメカニズムが関係しています。

よくある症状

  • レバーを回しても水が出ない(流れない)

  • タンクに水がたまらない(または時間がかかる)

  • チョロチョロとしか流れない

  • 水が出る音はするが便器に流れない

 

DIYでの対応手順(軽度の場合)

  1. 止水栓を閉める
     → タンク横や壁際にあるマイナスドライバーで閉められるバルブ

  2. タンクの蓋を開ける
     → 手で簡単に外れるタイプが多い(蓋が重い場合注意)

  3. 浮き球・レバーの動作を確認
     → チェーンが外れていないか、浮きが上下するか確認

  4. フィルターの掃除(ボールタップ付近)
     → ホース接続部に網目のフィルターがあり、汚れで詰まっていることあり

  5. 問題がある部品を交換(DIY可)
     → ホームセンターで「ボールタップ一式」「ダイヤフラム」「フロートバルブ」など購入可能(1,000~2,000円程度)

 

プロ対応が必要な場合

  • タンクの下部や給水管からの水漏れ

  • タンクと便器の接合部の内部詰まり

  • 水道管自体の水圧低下や鉄サビ詰まり(マンションなどでよくある)

  • タンクが一体型で分解が難しいタイプ(タンクレスも含む)

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